MAKI AND ASSOCIATES

米国での10年間に渡る教壇と研究を終え帰国した槇文彦は、1965年に株式会社槇総合計画事務所を設立。その後47年の間、東京にオフィスを構え、現在は45人の建築士、都市計画者、事務員によって構成されている。槇自身が職員一人一人と密接に関わって仕事ができるよう、そして日々のプロジェクトに積極的に参加できるよう、オフィスの規模は意図的に抑えられている。槇は自らリーダーシップをとって全プロジェクトの全工程に携わり、デザインの立案から完成(現場監督を含む)まで見届ける。

より小規模なオフィスで見られるような、迅速な意思決定や風通しの良いコミュニケーションが、(株)槇総合計画事務所では日常的な光景である。予算立てからプログラミング、デザインのドローイング、そして現場監督といったプロジェクトのあらゆる側面において、職員全員が責任を持って参加する。さらに槇本人も、いつでもクライアントと直接対面し、プロジェクトについて話し合えるよう場と時間を設けている。クライアントの要求を聞くだけにとどまらず、積極的にクライアントのニーズにあった提案をしていくのが槇のスタイルである。

長期間に渡るクライアントとの信頼関係

このような積極的なスタイルが、クライアントとの長年に渡る信頼関係を築くことを可能にしたといっても過言ではない。私的機関では、代官山ヒルサイドテラスの開発者である株式会社朝倉不動産と35年間、慶應義塾大学の三田、日吉、藤沢キャンパスの考案とデザインでは30年間、YKK R&Dセンターとは20年間、名古屋大学豊田講堂とは50年間、セント・ルイスのワシントン大学スタインバーグホールとサム・フォックス芸術センターとは50年間、カナダ・オンタリオ州オタワ市のイズマイリ・イママット記念館とトロント市のアガ・カーン・ミュージアムを指導するアガ・カーン4世とは10年間、シンガポール・リパブリック・ポリテクニックのウッドランドキャンパスとは10年間、ノバルティス・スイス・バーゼル新社屋と米国新社屋のノバルティスファーマとは10年間の信頼関係を保っている。公的機関では、千葉県、富山県、九州の中津市の地元自治体と長年に渡る信頼関係を築き上げている。

海外クライアントとの経験

1970年代初めより、日本国内及び海外に拠点をおく多数の海外クライアントと数多くの仕事をしてきた。東京では、スワイヤーハウスのマンション(1970)、国際聖マリア学院(1972)、オーストリア大使館とデンマーク大使館(1976、1979)、ノバルティスファーマ筑波総合研究所(1993)、東京キリストの教会(1995)、そしてアイルランド大使館とEUコミッションの内装などを手がける。海外での主要プロジェクトは、ワシントン大学スタインバーグホール(セント・ルイス)、イエルナ ブオナ芸術センター(サン・フランシスコ)、イザール・ビューロ・パーク(ドイツ、ミュンヘン)、セント・ルイスのワシントン大学サム・フォックス視覚芸術学部、シンガポールのリパブリック・ポリテクニック、カナダのオタワ市のイズマイリ・イママット記念館(2008)、MITメディア研究所(2008)、ペンシルバニア大学アネンバーグ・パブリック・ポリシー・センター(2008)、ノバルティスのバーゼル事務所(2009)などを含む。現在進行中の海外プロジェクトは、台北駅地区再開発(2012)、世界貿易センター(WTC)跡地の再開発計画タワー4(2012)、シンガポールのメディアコープ(2015)、インドのビハール博物館(2015)、深圳海上世界文化センター(2015)、ニューヨークの新国連ビル(2016)、ベイルートのブロック20-02オフィスタワー(2017)など。

功績

株式会社槇総合計画事務所の長年に渡る功績は数多く出版されており、国内外で数々の賞に輝くなど高い評価を得ている。主な受賞歴は、アルミニウムの斬新な使用に対して贈られたAIAレイノルズ記念賞(スパイラル)、ハーバード大学より表彰されたプリンスオブウェールズ都市デザイン賞(ヒルサイドテラス)、技術革新を称えたIAITAクォーターナリオ賞(幕張メッセ), AIAより表彰されるデザイン賞(イエルナ ブオナ芸術センター、ペンシルバニア大学アネンバーグ・パブリック・ポリシー・センター)、エコデザインとしても好評価を受け贈られたシンガポールのプレジデントデザイン賞(シンガポール・リパブリック・ポリテクニックのウッドランドキャンパス)など。高度な技術・質、良質なデザイン、クライアントの満足度、全てにおいて総合的に優れた作品だけに贈られる、そして日本の建築家にとって名誉があると言われるBCS賞をも受賞。1983年の電通関西支社で初受賞に輝いてから、2010年の三原市芸術文化センターに至るまで、計15回にわたってBCS賞に輝いている。その他に、公共建築賞、JIA25年賞など多数の受賞がある。